土地を半分だけ売却する方法を解説!分筆の注意点や必要な費用をわかりやすくまとめました
所有している土地の面積が広くうまく利用できないため、半分だけ売ってしまいたいと考える方もいるでしょう。土地を分割して半分、あるいは一部だけを売却することは可能です。ただし、1つの土地を売却する際とは異なり、分筆するなどの手順を踏まなければいけません。不動産売却の一括査定サイト「リビンマッチ」が、土地を半分だけ売却する流れや必要な費用について紹介します。
土地を半分だけ売却するケースとは
土地を半分だけ売却するとは、どういったケースが考えられるのでしょうか。考えられる3つのケースについて紹介します。
土地が広いため半分だけ売却したい
土地が広く、管理しきれないために半分だけ売却するケースがあります。土地が広ければ、その分固定資産税も高くなります。このように、単純に広い土地をコンパクトに管理したい場合などは、1筆の土地を複数に分ける分筆をして、不要な部分だけ売却するケースがあります。
隣の人に土地を「売ってほしい」といわれた
使用していない土地がある場合、隣の家の人に「土地を売ってほしい」といわれることがあります。接道義務を果たしたい、駐車場をほしいなど、隣人が土地をほしがる理由はさまざまです。買主を探す必要がないのですから、もし土地を持て余しているのなら、売却するのもよいでしょう。トラブルを避けるため、隣の人に土地を売るときは、次の記事を参考にして進めることをおすすめします。
複数人で土地を相続したので自分の分を売りたい
両親の土地を複数人で相続し、分筆後に自分の持分だけ売却するケースがあります。たとえば、兄弟2人で父親の土地を相続したとします。弟は売却希望ですが、兄はその土地に家を建てたいと考えているとします。その場合、土地を分筆すれば、弟は自分の分だけを売却できます。しかし、分筆することで土地は小さくなってしまい、当然分筆前よりも価値が下がってしまうので注意が必要です。
資金調達のために土地の半分を売却する
土地売却は資金調達の目的で行われることがあります。介護や事業、家の建て直し、リフォーム、生活費、税金納付など、現金が必要なときの資金調達方法として、広い土地の半分あるいは一部を現金化します。
土地を半分に分筆して売却する流れ
土地を分筆して、売却するまでの流れを紹介します。
分割と分筆の違い
分筆から売却する流れを紹介する前に、まず分筆と分割の違いについて紹介します。分筆とは登記簿上で土地を分けてしまうことをいいます。つまりひとつの土地が分筆されれば、全く別の土地になってしまいます。分割も同じように土地を分けることをいいますが、登記簿に登録はせずに机上の線引きとなります。
よって土地に抵当権を設定する場合、分筆した土地はそれぞれに設定できますが、分割した土地では、ひとつの土地としての担保価値しかありません。
土地の境界を確認する
土地売却のために1筆の土地を分筆する場合は、まず土地はどこからどこまでなのかという境界線を確認する必要があります。土地の境界線を確認する方法としては、測量図や境界確認書などをチェックする方法があります。新たに測量をするとなると、数十万円の費用がかかります。境界がはっきりしていると思っても、実際は境界線がずれている可能性があります。境界線がずれていると、土地売却の際に隣の土地の所有者とトラブルになるリスクがあります。
土地をどのように分筆するか決める
次にどのような形、面積で分筆するか決めなければいけません。単純に土地を中央で半分に区切るというのは難しいです。分筆後の土地売却を相談している不動産会社や分筆登記の相談をしている司法書士がいれば、アドバイスを求めましょう。
分筆登記をする
土地をどのように分筆するか決めたら、次は分筆登記を申請します。分筆登記をすると、登記簿上1筆だった土地が2筆になり、それぞれに地番がつけられます。登記には法律や不動産の専門的な知識を要するため、基本的に司法書士に依頼します。分筆登記が完了したら土地売却の具体的な手続きを進めていきます。
不動産会社に依頼して分筆した土地を売却する
分筆した土地は、1筆の土地として、通常の土地と同様に売りに出せます。一般的には不動産会社に仲介を依頼して売却活動を行います。不動産会社は、土地の売却が得意な会社を選びましょう。不動産会社にも得意不得意があります。マンションや戸建てのみで、土地売却の対応ができない可能性もあります。
その際、不動産一括査定サイトを利用すれば、一度の手間で複数社に問い合わせをして、土地売却が得意な不動産会社を探すことができます。1社1社問い合わせをする手間が省けます。
また、分筆後でなく分筆前に一括査定で問い合わせをすることも有効です。分筆の検討段階で相談することで、分筆から売却までトータルでサポートしてくれます。そのため、複雑な手続きも無駄なくスムーズに行えるでしょう。
注意点や必要な費用
土地を分筆する際にはいくつか注意点があります。分筆や売却に必要となる費用と併せて紹介します。
分筆できない土地はある?
すべての土地が分筆できるとは限りません。以下のような土地の場合は分筆ができません。
- そもそも境界が確定してない
- 景観保持のために地域の条例で分筆が制限されている
また土地が細分化すると、活用や管理が難しくなります。そのため、分筆後の土地が0.01平方メートル未満になる場合は分筆が禁止されています。
分筆や売却にかかる費用
土地を分筆する場合、登録免許税と測量費などがかかります。登録免許税は1筆につき1,000円です。2つに分筆する場合は2,000円必要です。土地の分筆は自分で行うことは困難なため、土地家屋調査士に依頼することが一般的です。測量が不要で分筆登記のみなら約10万円で済みます。
しかし、確定測量が行われておらず、測量費や境界確定費が必要になると、面積が広ければ100万円以上かかるケースもあります。
また、売却には以下のような費用も必要です。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
これら売却時の諸費用は売却価格の5〜10%が相場です。
売却しても利益が出ると税金がかかる?
土地売却で利益が出れば譲渡所得税の課税対象です。分筆した土地を売却して、その売却額が土地を手に入れた時の金額を超えたとします。この利益に対して税金がかかるため注意が必要です。土地を手に入れた時の費用とは、土地全体の取得価額を売却した面積の比により按分して、計算するのが原則です。
土地の半分を売却する場合も、あらかじめ売却益への課税の可能性を考えて試算するなど対策を考えておきましょう。譲渡所得税の計算式などは下記コラムを参考にしてみてください。
接道義務にも注意が必要?
分筆により土地売却するときは接道義務に注意しなければいけません。接道義務とは、建物を建築する際のルールです。建物を建てるときは原則的に幅員4mの道路に2m以上接していなければいけません。もし、この基準を満たしていない場合は、今後建物を新しく建てることができません。
分筆して土地売却するときは、接道義務などのルールにも注意する必要があります。分筆には法律的な部分も絡んでくるので、不動産会社や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
土地を半分売却することに関するよくある質問
- 土地の一部を売却することはできる?
- 土地の半分、あるいは一部だけを売却することは可能です。
- 分筆にかかる費用は?
- 測量が不要で分筆登記のみなら約10万円で済みます。確定測量が行われておらず、測量費や境界確定費が必要になると、面積が広ければ100万円以上かかるケースもあります。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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