土地を半分だけ売却する方法|分筆前に確認したい流れや注意点

土地を半分または一部だけを売却することは可能です。ただし、土地の分け方によっては、売却する土地だけでなく、手元に残す土地の使い勝手や資産価値にも影響を及ぼします。
この記事では、土地を半分だけを売却する方法や分筆前に確認すること、売却の流れ、費用や税金についても解説します。
リビンマッチのポイント
土地の半分のみを売却する場合、登記上の土地を分ける「分筆」を行います。境界確定の測量や分筆登記には費用がかかり、接道義務などの制限にも注意が必要です。将来の管理負担軽減や資金調達のために、専門家と相談しながら進めるようにしましょう。
もくじ
土地の半分だけを売却することは可能
所有している土地はまとめて売却するだけでなく、半分や一部だけを売ることも可能です。ただし、土地の一部分を売却するには「分筆」という手続きを行うことになります。
土地の一部を売るために必要な分筆の基本情報と、共有名義の土地に対する持分を売却する場合との違いについても解説します。
土地の一部を売る場合は分筆が必要

一つの土地のなかで、特定の部分だけを売却する場合は、原則として売却する部分を分筆する必要があります。分筆とは、1つの土地を2つ以上に分け、それぞれを別の土地として登記する手続きです。
たとえば、200㎡の土地のうち100㎡だけを売却する場合は、売却する部分と手元に残す部分を分筆します。分筆後はそれぞれに地番が付けられるため、売却する土地だけを買主名義へ変更できます。
ただし、単純に土地を半分に分ければよいわけではありません。分筆後の土地の形状や接道状況によっては、売却する土地や手元に残す土地の価値が下がるおそれがあります。そのため、分筆を依頼する前に、不動産会社や土地家屋調査士へ相談することが大切です。
分筆して売る場合と持分を売る場合の違い
土地の半分を売却する方法には、土地そのものを分けて売る方法と、所有する土地の権利を売る方法があります。
1つの土地を兄弟2人で2分の1ずつ所有している場合、それぞれが土地全体に対して所有権を2分の1持っていることになります。この所有権の割合のことを「持分」といい、不動産持分は売却することが可能です。
ただし、自分の持分を売却しても土地の半分を売ったことにはなりません。買主は自分に代わって新たな共有者となり、ほかの共有者と土地全体を共有することになります。
| 売却方法 | 売却するもの | 売却後の状態 |
|---|---|---|
| 分筆して売る | 分筆によって独立した特定の土地 | 売却した土地と手元に残す土地に分けられる |
| 持分を売る | 自分の所有権の割合 | 買主が新たな共有者となり、土地は共有名義となる |
分筆して土地を売却する場合は、登記上でも独立している土地のため買主は単独で所有できます。一方、持分だけを売却する場合は、自分が持つ権利の割合だけを手放します。そのため、買主は自由に土地活用することができません。
また、持分の売却は共有者同士で協議が必要になることもあるため、早めに対応することが大切です。
土地の半分だけを売却する主なケース
土地の一部だけを売却する理由はさまざまですが、主に次のようなケースがあります。
- 広すぎる土地の一部を手放したい
- 隣地所有者から土地の一部を売ってほしいと依頼された
- 相続した土地を相続人ごとに分けたい
- 資金調達のために土地の一部を現金化したい
ただし、土地を半分だけ売却すると分筆費用がかかるほか、売却する土地や手元に残す土地の形状・接道状況によっては、資産価値が下がることがあるため慎重な判断が必要です。
土地を半分だけ売却する前に確認すべきこと
土地を半分だけ売却する場合、単純に面積を二等分にすればいいわけではありません。分筆後に後悔しないよう確認しておくポイントを解説します。
土地全体を売る場合と手取り額を比較する
土地を半分だけ売却すると、測量費や分筆登記費用、仲介手数料などがかかります。売却価格が高くても、諸費用を差し引くと、土地全体をそのまま売る場合より手取り額が少なくなるケースがあります。
そのため分筆を依頼する前に、土地全体で売却した場合と半分だけ売却した場合とで、査定価格や必要経費を比較しましょう。
売却する土地と残す土地の価値を確認する
分筆するときは、売却する土地だけでなく、手元に残す土地の利用価値や資産価値も確認することが大切です。売却する土地部分が狭すぎたり、残す土地の形状が使いにくい形だったりすると、双方の資産価値が下がるおそれがあります。
不動産会社へ査定を依頼し、周辺で需要のある面積や土地の使われ方を確認したうえで分け方を決めましょう。
分筆後に接道義務を満たせるか確認する
建物を建てる場合は、原則として建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。道路側と奥側に土地を分けると、奥の土地が道路に接しなくなり、建物を建てられない可能性があります。
売却する土地と残す土地の両方とも、分筆後に接道義務を満たすか、土地家屋調査士や建築士などに確認しておきましょう。
利用しやすい面積と形状にする
土地を分筆する際は、できるだけ正方形や長方形に近く、建物を配置しやすい形状にすることが重要です。間口が狭い土地や細長い土地、凹凸が多い土地は売却しにくくなることがあります。
売却部分だけでなく、残す土地にも十分な広さと使いやすい形状が確保されるように分筆案を検討しましょう。
土地の抵当権を確認する
土地に抵当権が設定されている場合、分筆しても抵当権は分筆後の土地に残ります。売却する土地だけ抵当権を外すには、金融機関との協議が必要です。
承諾を得られないと売却できない可能性があるため、分筆を進める前に、抵当権の有無やローン残高、一部抹消の条件を金融機関へ確認することが大切です。
土地を半分に売却するときの流れ
土地を分筆して、売却するまでの流れをわかりやすくまとめました。売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
土地の境界を確認する
土地売却のために分筆する場合、まずどこからどこまでが自分の土地なのかという境界線を確認する必要があります。土地の境界線を確認する方法としては、測量図や境界確認書などをチェックする方法があります。
境界標があっても、登記資料と現地の状況が一致していなかったり、隣地所有者との認識が異なったりする場合があります。境界が不明確なままでは、売却時に隣人とトラブルになるリスクがあるため、事前に確認しておくと安心です。
土地をどのように分筆するか決める
土地をどのような形、面積で分筆するか決めなければいけません。単純に土地を中央で半分に区切るというのは難しいです。分筆後に土地売却を相談している不動産会社や分筆登記の相談をしている土地家屋調査士がいれば、事前にアドバイスを求めるとよいでしょう。
分筆登記をする
土地をどのように分筆するか決めたら、次は分筆登記を申請します。分筆登記をすると、登記簿上1筆だった土地が2筆になり、それぞれに地番がつけられます。
分筆登記には法律や不動産の専門的な知識を要するため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。登記が完了したら土地売却の具体的な手続きを進めていきます。
不動産会社の査定を受けて土地を売却する
分筆した土地は、1筆の土地として通常の土地と同様に売りに出せます。売却方法としては主に以下の方法があります。
- 不動産会社に仲介を依頼する
- 不動産会社に買取を依頼する
- 親族や知人、隣人に売却する
不動産会社によって得意な種別や地域が異なるため、土地売却の実績や査定の根拠を比較して依頼先を選びましょう。その際、不動産一括査定サイトを利用すれば、一度の手間で複数社に問い合わせできるため、土地売却が得意な不動産会社を探すことができます。
土地の半分を売却する際かかる費用や税金
土地の一部を売却するための分筆では、土地家屋調査士への報酬などのさまざまな費用がかかります。費用は境界が確定しているか、道路や水路との官民境界の確認が必要かによって大きく異なります。
分筆費用の相場や内訳、売主・買主のどちらが負担するかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
測量・分筆登記にかかる費用
土地の分筆は自分で行うには専門知識が必要になるため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。測量が不要で分筆登記のみであれば費用は40万円前後です。
しかし、確定測量が行われておらず、測量費や境界確定費が必要になると100万円以上かかるケースもあります。
仲介手数料や印紙税などの売却費用
土地の売却では、主に以下の費用が別途発生します。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
仲介手数料は法律で上限が定められていますが、売却価格によっては数百万円かかるケースもあります。印紙税も売却価格によって金額が異なりますが、基本的には10万円以内に収まるでしょう。
売却益が出た場合は譲渡所得税がかかる
土地の一部を売却して利益が出ると、譲渡所得が課税対象になります。譲渡所得は、売却代金から売却した部分に対応する取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
売却部分の取得費は、土地全体の取得費を面積比などの合理的な方法で配分します。ただし、取得費の分け方に迷う場合は、税理士や税務署へ確認しましょう。
土地の半分だけを売却しにくいケース
土地を分筆する際にはいくつか注意点があります。なかには、分筆がしにくい土地もあるため、事前に確認しておきましょう。
分筆が難しい土地の特徴
すべての土地が分筆できるとは限りません。以下のような土地の場合は分筆ができません。
- そもそも境界が確定してない
- 分筆すると最低敷地面積を下回る
土地が細分化しすぎると、活用や管理が難しくなります。また分筆後の土地が最低敷地面積を下回ると、建物を新築できない場合があります。分筆登記はできても土地の利用が制限され、売却しにくくなるおそれがあるため、事前に自治体へ確認しておきましょう。
接道義務を満たしていない
分筆により土地売却するときは接道義務に注意しなければいけません。接道義務とは、建物を建築する際のルールです。建物を建てるときは原則的に幅員4mの道路に敷地が2m以上接していなければいけません。もし、この基準を満たしていない場合は、今後建物を新しく建てることができません。
分筆して土地売却するときは、接道義務などのルールにも注意する必要があります。分筆には法律的な部分も絡んでくるので、不動産会社や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
土地半分を売却することに関するよくある質問
- 土地の一部だけを売却できる?
- 土地の一部分だけを売却することは可能です。一般的には、売却する部分を分筆し、別の土地として登記してから売却します。
- 土地に抵当権があっても売却できる?
- 売却できる可能性はありますが、売却部分の抵当権を外すため金融機関との協議が必要です。分筆前に金融機関へ確認しておきましょう。
- 持分を売れば土地の半分を売ったことになる?
- 持分の売却は土地全体に対する権利の割合であり、土地そのもののを売却するわけではありません。土地半分を売却する場合は、分筆などを検討します。

大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
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