戸建て売却の流れをまとめて解説!家を売る準備や手順、注意点が丸ごとわかる

戸建て売却は不動産売却の主役ともいうべき取引です。基本的なことはすべて、この戸建て売却に詰まっているといえるでしょう。最後まで読めば、戸建て売却に必要な知識を丸ごと手に入れられます。
不動産売却の初心者は、戸建て売却の流れを理解しましょう!
リビンマッチのポイント
戸建ての売却では、査定や媒介契約、売却活動、売買契約、引き渡しなどすべて体験できます。しかも、マンションと違って、ひとつとして同じ条件のものはありません。立地や建物の状態など購入希望者の要望を満たしている物件であれば、不動産会社の査定より売却価格が高額になる可能性もあります。不動産売却をするなら、戸建ての売却をひと通りマスターしておけばスムーズに取引を進められるでしょう。
もくじ
戸建て売却の流れと知っておきたいポイント
仲介における戸建て売却は、次のような流れで進みます。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 査定をもとに不動産会社を選んで媒介契約を結ぶ
- 売却活動を開始して、買主を募る
- 買主と条件交渉をして売買契約を結ぶ
- 戸建ての引き渡しと決済を行う
- 確定申告をして手続きを完了する
引き渡しまでの各ステップでは、不動産会社との密なコミュニケーションが重要です。特に初めての売却では不安を感じることも多いので、担当者のサポートを受けながら一つひとつていねいに対応していきましょう。焦らず、計画的に進めることが大切です。
戸建ての売却までにかかる期間の目安
戸建て売却は、査定依頼から引き渡しまで4~6カ月程度かかるのが一般的です。内訳としては、だいたい次の期間を見込んでおくとよいでしょう。
- 査定・不動産会社選びに2週間~1カ月
- 売却活動と買主探しに3カ月前後
- 契約から引き渡しまでに1~2カ月
戸建てはマンションと比べて、建物の状態、土地の形状や間口、前面道路の幅員など個別の要素が価格に大きく影響します。そのため、条件に合う買主が見つかるまで時間がかかるケースも少なくありません。急いで売りたい場合は、価格設定を相場より低めにするなど、柔軟な対応が求められます。
戸建て売却がマンションや土地などと異なる点
戸建て売却には、マンションや土地の売却とは異なる特徴があります。まず、建物と土地の両方を評価する必要があるため、査定が複雑になりがちです。
マンションの場合は、同一の物件や類似した物件が多く、相場を把握しやすいのに対し、戸建ては一つひとつの条件が異なるため、価格にばらつきが出やすくなります。また、築年数が古くても土地に価値があれば高値で売れるケースもあるのが、戸建てならではのポイントです。
一方、土地だけの売却と比べると、建物の状態や設備の不具合が契約に影響しやすいため、インスペクションなど事前調査の重要性が高まります。戸建てならではの特性を理解して、売却の流れを進めることが成功への近道です。
住宅ローン返済中は金融機関の許可が必要
住宅ローンの残った戸建てを売却する場合は、残債を完済することが条件です。
住宅ローン返済中の家には、借入金が返済できなかったときに備えて金融機関が抵当権を設定されているためです。抵当権が設定された状態でも売却活動を行うことは可能で、引き渡しと同時に抵当権の抹消を行います。不動産会社に相談しながら、売却代金でローンを完済できるかどうかを確認しておきましょう。
もし売却代金だけではローンを完済できない場合は、次の対応が必要となります。
- 自己資金の追加や親族に援助を求める
- 支払いが困難な状況なら任意売却を検討する
任意売却では、債権者である金融機関の許諾を得なくてはいけません。通常の流れとは異なるため、早めに専門家や不動産会社へ相談することが大切です。
売却代金が入金されるタイミングは?
戸建て売却の代金は、引き渡しのタイミングで入金されるのが一般的です。売買契約を結ぶ際に手付金として買主から売却代金の5~10%程度を受け取り、残りの代金は引き渡し時に一括で支払われます。
引き渡し当日は、買主が金融機関で住宅ローンの融資を受け、その資金を売主の口座へ振り込む流れになります。
入金を確認したあと、住宅ローンの残債がある方は金融機関へ返済を行い、抵当権を抹消します。その差し引き額が手元に残る金額です。
戸建ての売却査定を不動産会社に依頼する
戸建て売却は、不動産会社へ査定を依頼することから始まります。査定では自宅の価値を客観的に把握でき、適正価格で売るための重要な判断材料が得られます。複数の会社に依頼することで、より正確な相場感をつかめるでしょう。
査定依頼する不動産会社選びのポイント
査定を依頼する際は幅広く探すことが重要です。大手不動産会社は全国的なネットワークと豊富な実績を持ち、地域密着型の中小会社は地元の事情に精通しているなどの強みがあります。
大手と中小の不動産会社の両方に査定を依頼すれば、それぞれの視点から戸建ての価値を評価してもらえるため、より正確で客観的な市場価格を把握できるでしょう。
また、外国人向けの販売にも対応している会社であれば、海外の投資家や居住者にもアプローチできるため、購入希望者の幅が広がり高値での売却チャンスがあります。最初から1社だけに絞り込まず、大手から中小まで幅広く比較することで、より良い条件での売却につながるでしょう。
戸建て査定に必要な書類一覧
査定をスムーズに進めるには、事前に必要な書類を準備しておくことが大切です。次の書類を用意しておきましょう。
| 書類名 | 説明 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 運転免許証やパスポートなど、物件の所有者本人であることを証明する書類。査定時の身元確認に必要 |
| 登記事項証明書 (登記簿謄本) | 所有者や権利関係、抵当権設定状況などが記録された公的書類。土地建物の法的状況を正確に把握できる |
| 土地の測量図 | 土地の面積や寸法、境界線を示した図面で、実際の敷地面積を確認する際に重要な資料 |
| 建物の間取り図・設計図面 | 戸建ての構造や部屋の配置、面積などが記載された図面で、建物価値や機能性を評価するために必要 |
| リフォーム履歴や修繕記録 | 過去に行った改修工事や修繕の内容と時期を記録した書類で、建物の維持管理状況や今後のメンテナンス計画を判断する材料として活用できる |
| 住宅ローン残高証明書 | 金融機関から発行される現在のローン残債額を示す書類で、売却時の資金計画を立てる際の重要な判断材料になる |
すべての書類が揃っていなくても査定は可能ですが、資料が多いほど正確な評価が期待できます。
机上査定と訪問査定の違い
不動産の査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。机上査定は、土地建物の情報や周辺相場のデータをもとに、現地を見ることなく価格を算出する方法です。一方、訪問査定は不動産会社が実際に現地を訪れて、戸建ての状態や周辺環境を確認したうえで詳細な評価を行います。
一般的に、机上査定は当日~3日以内に結果が出ますが、訪問査定のほうがより精度の高い査定価格がわかります。訪問査定の結果は、早くて2~3日、通常は5~7日ほどです。
戸建て売却では訪問査定がおすすめ
戸建て売却では、訪問査定を選ぶことをおすすめします。戸建ては一つひとつの個性が強く、面積や築年数、立地だけでは本当の価値を計れないためです。
たとえば、戸建てには実際に見なければわからない要素が、次のように多くあります。
- 基礎や外壁の状態
- 越境物の有無
- 土地の高低差
- 擁壁の安全性
- 建物の防犯性
- 駐車のしやすさ
- 日当たりや風通し
- 庭の手入れ状態
- 隣家との距離感
机上査定では主に基本情報だけの判断になりますが、訪問査定であれば、それぞれの戸建ての状況を確認して適正な評価が受けられます。そのため、納得感のある査定が期待できるでしょう。
査定時に戸建てが評価されるポイント
不動産会社が確認するポイントは、立地条件、土地間口や向き、前面道路の幅員、建物の外装・内装、築年数、周辺環境などです。築年数が古い戸建てでも、最寄り駅に近い、南向きで日当たりがよい、地域の建て替え需要が高いといった魅力があれば高く評価される場合があります。
建物自体の価値は年数とともに下がりますが、土地の評価は立地次第で維持されるため、古い家でも思った以上の査定価格がつくことも珍しくありません。
リフォーム履歴や水回り設備の状態も加点要素になるため、アピールできるポイントは積極的に伝えましょう。
査定では不動産会社の信頼性も確認する
査定を受けるときは、単に価格だけを見るのではなく不動産会社の信頼性もしっかり確認しましょう。担当者は経験豊富か、対応はていねいでスピーディーか、質問にきちんと答えてくれるかといった点を観察してください。
また、売却実績や地域での評判も参考になります。高い査定価格を提示されても、その根拠が曖昧で信ぴょう性に欠ける会社は避けたほうが無難です。仲介を安心して任せられる不動産会社を見極めることが、スムーズな戸建て売却への一歩となります。
複数の査定価格を比較すれば相場がわかる
1社だけの査定では、算出された価格が妥当かどうか判断できません。複数の不動産会社の査定を比較すれば、その戸建ての正確な売却相場が見えてきます。たとえば、3社に依頼して2,800万円、3,000万円、3,200万円という結果が出たなら、3,000万円前後が相場だと判断できるでしょう。
もし極端に高い、または低い査定価格を提示された場合は、その理由を確認することも大切です。複数社を比較することで、適正な売り出し価格の検討ができ、売れ残りや安価で売却するリスクを減らせます。
媒介契約を結んで戸建て売却を正式に依頼する
査定を終えて不動産会社を選んだら、次に媒介契約を結ぶステップへ進みます。この契約を経て、戸建ての売却活動がスタートします。契約形態や特徴をしっかり理解して、納得のいく形で依頼することが大切です。
媒介契約の基礎知識
媒介契約とは、不動産会社に売却活動を正式に依頼するための契約です。この契約を結ぶことで、不動産会社は広告を出したり、購入希望者を探したり、内覧の調整を行ったりなどの業務を進められるようになります。
媒介契約で必要な書類一覧
媒介契約を結ぶ際は、査定時に用意した書類に加えて、次のものを揃えておくと手続きがスムーズです。
| 書類名 | 説明 |
|---|---|
| 登記識別情報通知 (登記済権利証) | 売主の所有権を確認するための必須書類。契約締結時に所有者としての正当性を証明する |
| 売買契約書・重要事項説明書(購入時) | 購入時の重要事項や契約条件を把握する。物件調査や価格設定の参考にする |
| 固定資産税・都市計画税納税通知書 | 最新年度の税額情報を確認する。諸費用の算出や買主への税負担の説明に使用される |
| 近隣住民との取り決め書類 (協定書・覚書など) | 制約事項を示す書類で、売却活動における重要事項説明の準備に必要 |
不動産会社から指示があった書類は早めに用意して、媒介契約当日に慌てないようにしましょう。
媒介契約の3つの種類
媒介契約には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介契約の3つの種類があります。専属専任媒介と専任媒介は、売却活動を1社だけに任せる契約です。特に、専属専任媒介は売主が自分で買主を見つけた場合でも、必ず不動産会社を介して取引を行う必要があり、最も縛りの強い契約形態です。
専任媒介契約も1社だけに任せる契約ですが、自分で買主を見つけた場合は直接取引が可能です。
一般媒介契約は、複数社へ同時に売却活動を依頼できる最も制約の少ない契約形態で、不動産会社に活動報告義務やレインズ登録義務はなく任意です。
| 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 契約できる会社の数 | 1社 | 1社 | 制限なし |
| 契約期間 | 最長3カ月 (延長時は再契約) | 最長3カ月 (延長時は再契約) | 規定なし ※3カ月が一般的 |
| 自己発見取引 | 不可 | 可 | 可 |
| レインズ※への登録義務 | 媒介契約の締結後5日以内 | 媒介契約の締結後7日以内 | 任意 |
| 依頼者への報告義務 | 1週間に1回以上 ※文章、メールなどで報告 | 2週間に1回以上 ※文章、メールなどで報告 | 任意 |
※レインズへの登録期限は、媒介契約締結日の翌日からカウントした日数
それぞれにメリットとデメリットがあるため、売却の進め方や希望に応じて選びましょう。
戸建て売却に適した媒介契約選びのポイント
立地や戸建ての状況によって、適した媒介契約が変わってきます。人気エリアや条件のよい物件であれば、一般媒介契約で複数社を競争させるとよいでしょう。一方、築年数が古いなど売却が難しそうな戸建てや早く売りたい場合は、専任媒介や専属専任媒介契約を選んで、1社に集中的に営業してもらうほうが効果的です。
戸建ての売却活動と内覧対応を行う
媒介契約を結ぶと、いよいよ戸建ての本格的な売却活動がスタートします。不動産会社が購入希望者を募り、興味を持った方からの問い合わせが入れば、内覧の調整へと進みます。
内覧は不動産会社が基本的に対応
内覧の対応は、基本的に不動産会社の担当者が行います。購入希望者を1部屋ずつ案内しながら、プロの視点で魅力を伝えてくれるでしょう。
住みながら売却する場合は、不動産会社から事前に連絡が入るため、日程を調整して準備を整えます。当日は家の中を片付けて清潔な状態にしておき、第一印象を損なわない工夫が大事です。
売主が内覧で説明することも可能
不動産会社に任せきりではなく、売主自身が買主に説明することもできます。実際に住んでいる方だからこそ伝えられる情報、たとえば日当たりのよさや近隣住民の雰囲気、生活の便利さなどは購入検討の後押しになる場合があります。
ただし、積極的に話しすぎると、購入希望者にプレッシャーを与えかねません。質問されたときに答える程度にとどめて、進行は不動産会社に任せるのがバランスのよい対応です。
住んだままより空き家がおすすめ
戸建て売却では、生活感のない空き家の状態で内覧してもらうほうが好まれます。なぜなら、家具家電や荷物がない状態だと各部屋の広さが伝わりやすく、買主自身が新しい生活をイメージしやすいためです。
住みながらの内覧では、どうしても生活用品が目に入り、本来の魅力が伝わりにくい場合があります。早く売りたい、少しでも高く売りたいと考えているなら、先に引っ越しを済ませて空き家にしてから売却活動を検討してください。
成約までの内覧回数の目安は?
一般的な戸建ての場合、成約に至るまでの内覧回数は5~10回程度が目安です。立地や価格設定、建物の状態によって変わりますが、特に条件のよい戸建てなら5回以内に決まることもあります。
一方、10回以上内覧があっても成約に至らない場合は、何か理由があると考えるべきです。
- 売り出し価格が相場より高い
- 間取りや動線が使いにくい
- 築年数に対して設備が古い
- 周辺環境に問題がある
このように、購入を躊躇させる要因がないか不動産会社に確認してみましょう。内覧後のフィードバックを聞いて、必要であれば価格や広告の見直し、建物内外の改善を検討することも大切です。
買主を選んで売買契約へ進む
購入希望者から不動産買付証明書が届いたら、まず条件を確認します。もし複数の希望者がいる場合は、希望価格だけでなく、職業や資金計画、引き渡し希望時期なども比較しましょう。
現金で購入できる方や、すでに住宅ローンの事前審査を通過している方は、契約がスムーズに進みます。買主が決まれば、いよいよ売買契約へと進みます。
戸建ての不動産売買契約を結ぶ
買主が決まったら、不動産売買契約を結ぶ流れへ進みます。この契約によって売却条件が確定し、引き渡しに向けた準備が始まります。内容をしっかり確認して、契約後のトラブルを防ぐことが重要です。
売買契約で注意すべきポイント
不動産売買契約では、売却価格や引き渡し日、土地建物の重要事項や容認事項などが取り決められます。この契約時に、手付金として売却代金の5~10%程度を買主から受け取るのが一般的です。
ただし、この段階では売却が確約されたわけではありません。買主が手付金を放棄すれば契約を解除できますし、反対に売主も手付金の倍額を返すことで契約解除が可能です。また、売買契約で設定されている特約条件によっては、ペナルティなしで解除される場合もあるため、契約内容は慎重に確認しましょう。
引き渡しまでは、思わぬトラブルが起こる可能性もあるため、最後まで慎重に対応することが大切です。
住宅ローン審査による契約解除のリスク
買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関の審査に通らないと契約が解除されることがあります。この場合、買主に過失がないと考えられるため、売主は受け取った手付金をすべて返還しなければなりません。これは「住宅ローン特約」と呼ばれる条項で、買主を保護する仕組みです。そのため、買主が事前審査を通過しているか、融資承認の見込みがあるかを契約前に確認しておくことが大切です。
契約不適合責任には十分注意する
引き渡し後に不具合や欠陥が見つかった場合、売主は契約不適合責任を問われることがあります。たとえば、雨漏りやシロアリ被害、給湯器の故障など、契約時に説明していなかった問題があとから発覚すると、買主は修繕費用の請求や契約解除を求められます。
売主が知っている不具合は必ず買主に伝えて、売買契約書にもきちんと記載しておきましょう。隠したつもりはなくても、あとから発覚すればトラブルの原因になります。
インスペクション(建物状況調査)での事前調査がおすすめ
インスペクションとは、専門家が建物の状態を調査して劣化や不具合を確認するサービスです。売却前に実施しておけば、家の現状を客観的に把握でき、買主にも安心感を与えられます。引き渡し後のトラブルも未然に防げるでしょう。
費用は5万~10万円程度ですが、契約不適合責任のリスクを減らせるメリットは大きいといえます。
戸建ての引き渡しと売却決済を行う
売買契約を結んだあとは、戸建ての引き渡しと決済の流れへ進みます。
決済では売却代金の受け取りとローン残債の完済を行い、所有権を買主へ移転させることで戸建ての売却が完了します。
引き渡しまでに売主が準備すること
引き渡し日までに、売主はいくつかの準備を整えておく必要があります。大まかなものだけでも、次のようなものがあります。
- 荷物をすべて運び出し、完全に空の状態にする
- 不用品がある場合は廃棄処分を行う
- 室内の清掃を徹底的に行う(特に水回りや床面)
- 設備の取扱説明書や保証書を整理してまとめる
- カギ一式(玄関、勝手口、物置など)を揃える
- 電気ガス水道などの公共料金の精算手続き
- 電話やインターネット回線の解約手続き
- 新聞配達の停止や郵送物転送届の提出
これらを忘れずに行うことが大切です。スケジュールに余裕を持って進められるよう準備を整えましょう。
時間がない場合は専門会社に依頼する
片付けや清掃に時間が取れない場合は、専門会社に依頼する方法もあります。不用品の回収から廃棄処分、ハウスクリーニングまで、まとめて任せられるので便利です。ただし、繁忙期や引き渡し直前の依頼では、スケジュールが埋まっていて対応できないこともあるため注意しましょう。
引き渡し・決済で必要な書類一覧
引き渡しと決済では、すでに紹介した「登記識別情報通知(登記済権利証)」や「本人確認書類」のほかに次の書類が必要になります。
| 書類名 | 説明 |
|---|---|
| 入金用通帳 (+返済用通帳) | 売却代金の振り込み先と住宅ローン残債の返済用口座の通帳が必要 |
| 印鑑証明書 | 実印の証明書で、各種登記手続きの際に司法書士が本人性を確認するために必要な公的書類 |
| 固定資産評価証明書 | 登録免許税の算出基準となる評価額を示す証明書で、登記手続きの際に法務局へ提出する |
| 引き継ぎ書類一式 | 設備の取扱説明書や保証書など、買主が戸建てを適切に管理するために必要な書類一式 |
| 抵当権抹消登記に関する書類 | 住宅ローン完済時に金融機関の抵当権を抹消するための書類で、完全な所有権を買主に移転するために必要(司法書士による代行取得が多い) |
書類は事前に複数回の確認を行い、当日に足りないものがないようにしましょう。
売却代金の受け取りと住宅ローン残債の完済
戸建ての引き渡し当日、買主から残金が振り込まれることで売却代金の受け取りが完了します。住宅ローンの残債がある人は、受け取った代金の中から金融機関へ返済を行ったあと、司法書士が抵当権の抹消手続きを進めます。売却代金からローン残債や諸費用を差し引いた金額が、最終的に手元に残るお金になります。
諸費用の精算とカギの引き渡し
諸費用の支払いも決済の場で行い、仲介手数料・登記費用・固定資産税などを精算します。固定資産税は、1月1日時点の所有者が1年分をまとめて納付するため、引き渡し日を基準に計算し、買主が売主へ日割り分を支払う形で精算するのが一般的です。すべての手続きが終わったら、戸建てのカギ一式を買主へ引き渡して、売却の流れが完了します。
戸建て売却後に確定申告を行う
戸建てを売却したあと、翌年の2月中旬~3月中旬までに確定申告を行う必要があります。売却で利益が出た方はもちろん、損失が出た方にもメリットがあるため忘れずに手続きしましょう。
確定申告とは
確定申告とは、1年間の所得を税務署に申告して所得税を確定させる手続きです。戸建て売却で得た利益は「譲渡所得」として課税対象になるため、必ず申告しなければなりません。
譲渡所得は、売却価格から購入時の取得費や売却時の譲渡費用を差し引いて算出します。マイホームの場合は、譲渡所得があっても条件を満たせば「3000万円特別控除」が適用されるため、早めに税務署や税理士へ相談するとよいでしょう。
譲渡損失が出た場合の確定申告のメリット
戸建て売却で損失が出た場合でも、確定申告をして損益通算の仕組みを利用できれば、ほかの所得の税負担を軽減できることがあります。また、その年で引ききれなかった損失は、翌年以降、最長3年間繰り越し控除が可能です。
利益が出ていないからといって申告しないのはもったいないため、損失が出た方もぜひ確定申告を行いましょう。
早期売却の流れには戸建てのスムーズな査定が重要!
戸建てをできるだけ早く売却したい人は、複数社の査定価格を比較することが重要です。そういうとき、一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用すれば、最短45秒で複数社へ効率的に依頼できるので手間も労力もかかりません。大手から地域密着の不動産会社まで幅広く紹介してもらえるため、それぞれの強みを活かした提案が受けられるでしょう。
あなたの売却エリアに強い会社に出会えれば、地域を熟知した戦略で早期売却の可能性が高まります。比較検討して「信頼できるパートナー」を見つけることが、戸建て売却を成功させる重要なカギです。
家が売れてからお金が入るまでの期間に関するよくある質問
- 家が売れてからお金が入るまではどれくらいかかる?
- 買主が決まってから、売却代金の全額をもらうには約2〜3カ月かかります。また、家を売りに出してから買主と契約を結ぶまでは、約3〜4カ月かかります。そのためまとまったお金が入るタイミングは、売却を決めてからかなり先です。
- 売主がお金を受け取るタイミングは?
- 売買契約締結時と残金決済時の2回あります。売買契約締結時は手付金を受け取りますが、一般的に売却価格の約5〜10%が相場です。残金決済時は売却代金の残りを全額受け取ります。
この記事の編集者
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