東証上場 リビン・テクノロジーズ株式会社(東証グロース上場)が運営するサービスです  証券コード:4445

筆界未定地は売買できる?解消して売却する方法と注意点

更新日:
筆界未定地は売買できる?解消して売却する方法と注意点

土地の境界が確定していない筆界未定地は、制限が多くて活用しにくいため、売買が難しいといわれています。ただし、筆界未定地でも売買は可能です。必ずしも、土地の境界を確定させて、売却しなければならないわけではありません。

相続した土地が筆界未定地で、使い道がないため売却したい方もいるでしょう。売却するには、筆界未定を解消してから売る方法と、筆界未定の状態を買主に説明し、条件を合意して売る方法があります。

この記事では、筆界未定地にどのような制限があるのかを解説します。また、筆界未定地かどうかの確認方法や、境界を確定しないで売却する際の注意点、筆界未定を解消する方法も紹介します。

この記事でわかること

  • 筆界未定地の売却が難しい理由
  • 境界を確定せずに売却する方法と、売買時の注意点
  • 筆界未定を解消する3つの方法と、不動産会社の選び方

筆界未定地とは

土地の区画や隣地との境を示す言葉には、一般的によく使われる「境界」とは別に、「筆界」という言い方があります。それぞれ次のように使い分けがされます。

境界
土地の境を示す一般的な言葉。所有権の範囲を示す「所有権界」を指す場合もある
筆界
土地が登記されたときに、その範囲を区画するものとして定められた線。所有者同士の合意だけでは変更できない

つまり筆界未定地とは、地籍調査などで筆界の位置を確認できず、筆界未定として処理された土地のことです。筆界そのものが存在しないという意味ではありません。

筆界未定地になる原因

筆界未定地は、地方公共団体(自治体)が実施する地籍調査で、土地の境界が確認できず、境界をはっきりさせないまま処理されたときに発生します。

境界が確定できなかった理由としては、次のようなものがあります。

  • 土地の境界について所有者間で意見が対立し、確認できなかった
  • 所有者の協力が得られず、境界を確認できなかった
  • 所有者の所在がわからないなどの理由で、境界を確認できなかった

地籍調査とは?

地籍調査とは地方公共団体などが実施する、国土調査法にもとづく公的な調査です。土地を1筆ごとに所有者・地目・地番を調査し、土地の境界と面積を測量により確定させます。

所有者個人が測量を行う場合の費用は自己負担ですが、自治体などが実施する地籍調査であれば、原則として個人の費用負担はありません。ただし、立ち会いに必要な交通費などは、自己負担になる場合があります。

ちなみに、国土交通省の「全国の地籍調査の実施状況」によると、2025年度末時点での全国の地籍調査の進捗率は53%です。また、優先実施地域では81%となっています。

筆界未定地かどうかの確認方法

所有している土地が筆界未定地かどうかは、登記事項証明書で確認できることがあります。登記事項証明書の表題部に「国調筆界未定」などと記載されている場合があるのです。

また、登記所から交付される公図(地図)でも確認できます。筆界未定地の場合、複数の地番が「〇+〇」のように、ひとつの土地の区画に複数の地番が記載された状態になっています。これらは、登記所で申請することで、確認が可能です。

また、不動産会社はオンラインで登記情報を取得できるサービスを導入しているケースが多いです。そのため、近くの不動産会社に依頼して確認することもできます。

所有権について

筆界未定地でも土地の所有権はあり、売買や相続によって所有権を移転することは可能です。相続した土地が筆界未定地であっても、相続登記はできます。

また、筆界未定地であることだけを理由に、抵当権設定登記が認められなくなるわけではありません。ただし、境界が明確でない土地は担保としての評価が難しく、金融機関の融資審査に影響する可能性があります。

地籍調査から数十年が経過し、相続してから初めて筆界未定地だとわかるケースもあるでしょう。その場合は、筆界未定となった経緯を確認し、売却する際に境界の確認や登記手続きが必要になるかを調べておくことが大切です。

筆界未定地の売買は難しい?

筆界未定地でも売買は可能ですが、土地の境界が明確でないため、買主が見つかりにくくなる場合があります。また、土地の利用や登記手続きに制限が生じることもあるため、売却する際は注意が必要です。

筆界未定地のデメリット

筆界未定地は、未確定となっている筆界の状況によって、次のような登記手続きが制限されたり、土地の利用に支障が生じたりする場合があります。

  • 土地を分割する分筆登記が原則としてできない
  • 複数の土地をまとめる合筆登記ができない
  • 土地の面積を訂正する地積更正登記が原則としてできない
  • 地目変更登記が原則としてできない
  • 金融機関の融資審査に影響する場合がある
  • 建物を建てる際の建築確認に支障が生じる場合がある

たとえば、広い土地の一部だけを売却したくても、分筆登記ができなければ、その部分を独立した土地として売り出すことが難しくなります。また、地目変更登記にも制限があるため、土地の用途を変えて活用する際に支障が生じる場合があります。

住宅用地として売却する場合も、境界が不明確なことで建築確認や住宅ローンの審査に影響するおそれがあります。そのため、購入を希望する人が限られたり、相場よりも売却価格が低くなったりする可能性があります。

筆界未定地を境界未確定のまま売却する方法

筆界未定地は、境界を確定しないまま売却することも可能です。たとえば、分筆せずに現在の登記のまま売り出し、境界が未確定であることを理解した買主に売却する方法があります。隣地所有者や、扱いの難しい土地を買い取る不動産会社に相談するのも選択肢です。

ただし、筆界未定の範囲や隣地との紛争の有無、境界を明示するかどうか、将来の測量・登記費用の負担などを事前に確認し、買主と合意した内容を売買契約書に明記することが重要です。

境界未確定のまま売却する場合は、買主が負担するリスクも大きくなります。必ずしも希望する条件で売却できるわけではないため、不動産会社に売却の可能性と条件を確認しましょう。

トラブルに発展するおそれがある

筆界未定地の売買では、トラブルが発生することがあります。筆界未定地は制限があるため、通常の土地と同じように活用できるとは限りません。土地の売買では、そういったデメリットを買主に正確に知らせる必要があります。

取引を不動産会社が仲介する場合は、重要事項説明書を買主に交付し、専門家である宅地建物取引士が説明をします。筆界未定地の説明に不足があると、買主がよく理解せずに取引が成立してしまうことがあります。

たとえば、境界が未確定であることや土地の利用に関する制限について説明が不足していると、売却後に買主との間でトラブルになるかもしれません。引き渡した土地が契約内容に適合していない場合は、契約不適合責任を問われることもあるため、筆界未定地であることや、売却後に生じる可能性のある問題を事前に説明することが重要です。

土地の所有者が注意すべき事項

買主が筆界未定地について十分に理解しないまま取引が成立してしまうと、思わぬトラブルになることがあります。念には念をいれて、取引内容を売主と買主の両方がしっかりと確認する必要があります。

筆界未定地は、土地の活用に制限が生じるため、資産価値に影響する可能性があります。ただし、価格への影響は土地の立地や利用状況、筆界未定を解消するための費用などによって異なります。

地籍調査がまだ未施行の地域に土地を所有する場合は、地方公共団体などから地籍調査の案内文書が来た時は必ず現地立ち会いをしましょう。

筆界未定地を解消して売却する3つの方法

筆界未定地は、境界を確定しないままでも売却できますが、筆界未定を解消することで、買主が土地の範囲や面積を確認しやすくなります。分筆などの登記手続きも進めやすくなるため、売却前に解消を検討する価値があります。

筆界未定を解消するには、隣地所有者との筆界確認、法務局の筆界特定制度、裁判所での筆界確定訴訟といった方法があります。どの方法が適しているかは、隣地所有者との関係や境界が確認できない理由によって異なります。それぞれの特徴を確認しましょう。

隣地所有者と協力して進める「筆界確認」

筆界確認は、隣地所有者と協力して土地の筆界を確認する方法です。一般的には土地家屋調査士に依頼し、登記資料や現地の状況を調査したうえで測量を行い、関係する隣地所有者と筆界の位置を確認します。確認した内容を「筆界確認書」として残すこともあります。

ただし、筆界確認を進めるには、関係する隣地所有者の協力が必要です。境界について意見が対立している場合や、所有者と連絡が取れない場合には、別の方法を検討する必要があります。

隣地所有者の協力が得られるなら、まずは土地家屋調査士に相談し、筆界確認と測量を進められるか確認しましょう。

隣地の協力が得られない場合の「筆界特定制度」

隣地所有者が立ち会いを拒否したり、境界について意見が一致しなかったりする場合は、「筆界特定制度」を利用する方法があります。

筆界特定制度は、土地所有者などの申請にもとづき、法務局の筆界特定登記官が筆界の位置を特定する制度です。土地家屋調査士などの専門家である筆界調査委員が調査を行い、その意見を踏まえて筆界特定登記官が判断します。

隣地所有者との合意が得られなくても、公的な判断によって筆界の位置を明らかにできることが特徴です。ただし、所有権の範囲を確定する制度ではなく、特定された筆界について裁判で争うこともできます。

裁判所で筆界を確定する「筆界確定訴訟」

隣地所有者と話し合いで解決できない場合は、裁判所に筆界の確定を求める「筆界確定訴訟(境界確定訴訟)」という方法があります。

裁判では、土地の登記資料や測量結果などをもとに筆界の位置が判断されます。判決が確定すると、当事者間の合意がなくても筆界が確定します。ただし、訴訟では費用や時間の負担が大きくなる場合があります。隣地所有者との関係にも影響するおそれがあるため、土地家屋調査士や弁護士などの専門家に相談して検討しましょう。

なお、筆界の位置が確認できても、それだけで登記上の筆界未定が解消されるわけではありません。土地の測量を行い、法務局で地図訂正の申出や地積更正登記などの手続きを進める必要があります。これらの手続きには費用がかかるため、土地家屋調査士に相談し、必要な作業と費用を確認しておきましょう。

3つの解消方法を費用と期間で比較

筆界未定地を解消するための費用と期間は、土地の広さや形状、隣地所有者との関係、必要な手続きによって異なります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

筆界未定地を解消する3つの方法の比較
方法適している状況費用の特徴期間の特徴
筆界確認隣地所有者の協力が得られる調査・測量などの費用が必要測量や関係者との日程調整によって異なる
筆界特定制度隣地所有者との合意が難しい申請手数料のほか、測量費用などが必要標準処理期間を6~9カ月とする法務局もある
筆界確定訴訟裁判所による筆界の確定が必要弁護士費用や測量費用などが生じる場合がある審理の状況によって長期化することがある

まずは隣地所有者との筆界確認が可能かどうか、土地家屋調査士に相談するとよいでしょう。そのうえで、解消にかかる費用と期間、土地の売却価格への影響を比較し、筆界未定を解消してから売却するかを判断することが大切です。

筆界未定地の売却に強い不動産会社の選び方

筆界未定地の売却では、境界を確定してから売る方法と、筆界未定の状態で売る方法があります。どちらを選ぶかによって必要な手続きや買主の探し方が異なるため、まずは対応経験のある不動産会社に相談しましょう。

筆界未定地の売却は、通常の不動産売却よりも専門的な知識と経験が求められます。「どこに頼んでも同じ」と考えず、慎重に信頼できる会社を選びましょう。

なぜ「専門の不動産会社」選びが重要なのか?

筆界未定地の売却では、境界を確定する必要があるか、未確定のまま売却できるかなど、土地の状況に応じた判断が求められます。必要に応じて土地家屋調査士による測量や登記手続きを検討するため、こうした取引の経験がある不動産会社を選ぶことが大切です。

このような案件に不慣れな不動産会社に依頼してしまうと、次のような失敗につながりかねません。

  • 境界確定のプロセスを適切にアドバイスできない
  • 手続きが滞り、想定以上に売却期間が長引いてしまう
  • 筆界未定を解消して売る場合と、そのまま売る場合の条件を比較できない

筆界未定を解消する場合と、そのまま売却する場合の条件を比較し、土地の状況に合った売却方針を提案できる不動産会社を選ぶことが大切です。

見極めるポイントは「筆界未定地の取引実績」と「土地家屋調査士との連携」

どうすれば専門知識を持つ不動産会社を見極められるのでしょうか。不動産会社の担当者に会ったら、必ず次の2つのポイントを確認してください。

  • 筆界未定地の取引実績
  • 土地家屋調査士との連携

筆界未定地の取引実績

「過去に筆界未定地を扱ったことがありますか?」「そのとき、どのように進めましたか?」と質問してみましょう。具体的な事例や、トラブルへの対処法などを交えて説明できるかどうかが、担当者の経験や対応力を判断する手がかりになります。

土地家屋調査士との連携

「必要になった場合、土地家屋調査士を紹介してもらえますか?」と聞いてみましょう。すべての不動産会社が土地家屋調査士と提携しているわけではありませんが、測量や登記手続きが必要になったときに、専門家と連携できる体制があるかは重要な確認ポイントです。

複数の不動産会社を比較して、信頼できるパートナーを見つけよう

筆界未定地の売却では、不動産会社によって売却方法や査定価格の考え方が異なる場合があります。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格だけでなく、境界を確定する必要性や費用負担、販売方針なども比較検討することが大切です。

不動産の一括査定サイトを利用すれば、一度の入力で複数社にまとめて査定を依頼できます。その中から、筆界未定地の売却に強そうな会社を数社に絞り込み、実際に担当者と会って、信頼できるパートナーを見つけましょう。

筆界未定地の売買に関するよくある質問

筆界未定地でも売買できますか?
筆界未定地でも売買は可能です。境界を確定せずに売却する場合は、筆界未定であることや土地の利用に関する問題を買主に説明し、売買条件について合意しておく必要があります。筆界未定を解消してから売却する方法もあります。
なぜ筆界未定地の売買は難しいのですか?
分筆・合筆や地目変更などの登記手続きが制限され、土地の利用や買主の融資審査に影響する場合があるためです。ただし、必ず売却価格が下がるわけではなく、土地の条件や買主によって影響は異なります。
筆界未定地を解消するにはどうすればいいですか?
隣地所有者と協力して筆界を確認するほか、合意が難しい場合は筆界特定制度や筆界確定訴訟を利用します。筆界の位置が明らかになっても、登記上の筆界未定を解消するには、測量や地図訂正、地積更正登記などの手続きが必要です。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。

コンテンツの引用ルール

運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)

カテゴリー
不動産売却コラム
タグ

リビンマッチコラムを引用される際のルール

当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。

引用ルールについて

カテゴリー一覧

Copyright © Living Technologies Inc. All rights reserved.
トップへ