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家の買い替えの「引き渡し猶予」で引っ越し代を節約|期間中のリスクに要注意

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家の買い替えの「引き渡し猶予」で引っ越し代を節約|期間中のリスクに要注意

家の買い替えでは、売却と新居への引っ越しのタイミングによっては、仮住まいが必要になることがあります。すると、2回の引っ越し代、仮住まいの費用が発生し、重い負担となります。

しかし、家の引き渡し日を伸ばす「引き渡し猶予」を利用すれば、引っ越し代を1回で済ませられるかもしれません。家の買い替えで節約になる、引き渡し猶予の仕組みと注意点を解説します。

リビンマッチのポイント

引き渡し猶予とは、同日原則の決済と引き渡しに猶予期間をもうけて、引き渡しを7~10日ほど遅らせることをいいます。家の買い替えで引っ越す場合、引き渡し猶予があれば時間に余裕をもって引っ越しができます。ただし、引き渡し猶予期間中の破損を負担するなど、リスクがあることに注意が必要です。

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引き渡し猶予を基本から解説

家の買い替えでは、基本的に売却の決済(代金の支払い)と、引き渡し(鍵の譲渡)を同じ日に行います。しかし、新居への引っ越しのタイミングによっては仮住まいが必要で、2回分の引っ越し費用、仮住まいの費用などがかかってしまうかもしれません。

こういった費用を節約する方法として、「引き渡し猶予」があります。引き渡し猶予とはどういうものなのか、基本から解説します。

引き渡し猶予とは?

引き渡し猶予とは、決済を済ませた後、売主が短期間だけそのまま家に住み続けることをいいます。通常の取引であれば、決済後に不動産の所有権が買主へ移り、当日のうちに鍵を渡します。

引き渡し猶予は「同日原則」の例外として、売主と買主の双方が合意したうえで、売買契約に特例として盛り込みます。

引き渡し猶予

引き渡し猶予には買主の同意が欠かせないため、売却活動の開始前に不動産会社へ意向を伝えておくことが大切です。

引き渡し猶予の期間はどれくらい?

引き渡し猶予の期間は、決済日から7~10日が一般的な目安です。この期間に住み替え先への引っ越しを完了させ、売却物件の鍵を買主へ渡すことが基本的な流れです。

「もう少し期間が長ければ」と思う人もいるかもしれませんが、極端に長い猶予期間は現実的に困難です。

引き渡し猶予は原則として短期間・無償で行われます。使用料のような金銭の受け渡しをともなうと、内容によっては賃貸借契約と見なされるおそれがあるのです。購入した家を賃貸住宅として貸していると、住宅ローンの融資の条件に違反になることもあります。

引き渡し猶予は、7~10日を目安に計画を立て、引っ越し会社の予約なども余裕をもって済ませておくことが重要です。

「売り先行」で引き渡し猶予が必要

引き渡し猶予が必要になるのは、「売り先行」で家を買い替える場合です。

売り先行とは、いまの家を先に売却してから、新しい家を購入する方法です。ローン完済後に残った売却代金をそのまま購入資金に充てられるため、資金計画が立てやすいというメリットがあります。

ただし、決済で受け取った家の代金をもとに新居を購入するため、家を所有しない期間が生じてしまいます。仮住まいが必要になる、買い替えの方法なのです。

しかし、引き渡し猶予があれば決済後も7〜10日はいまの家に住み続けられるため、仮住まいなしに買い替えられる可能性があります。

引き渡し猶予を利用する方法

引き渡し猶予を利用するには、売買契約を結ぶ前に買主から了解を得なくてはなりません。短い期間とはいえ、決済後もすぐに家を使えないことは、買主にとって少なからず負担になります。

売買契約を結んでから買主に相談しても、交渉がうまくいくとは限りません。不動産会社を通じて、購入申し込みなどの早い段階で買主へ意向を伝えましょう。買主の合意が得られたら、引き渡し猶予の期間や引き渡し日など、合意した内容をきちんと書面に残しておくことが大切です。

引き渡し猶予の流れ

売買契約から売却物件を引き渡すまでの全体の流れは、次のとおりです。

① 売買契約の締結
猶予期間・条件・ペナルティなどを売買契約書および重要事項説明書、または覚書に明記する
② 決済・所有権移転
買主から売主への代金支払いと所有権移転登記が完了する。所有権が買主に移る
③ 猶予期間スタート(7~10日)
売主が引き続き居住しながら、引っ越し作業を進める
④ 買い替え先への引っ越し完了
猶予期間内に売主は新居へ転居し、荷物の搬出を終える
⑤ 売却物件の鍵の引き渡し
取り決めた方法で買主へ鍵を渡し、猶予期間が終了する

この流れの中で特に重要なのが、③の猶予期間中にいかに段取りよく引っ越しを進められるかです。引っ越し会社の手配や当日の打ち合わせ、荷物の整理などは、決済前から早く進めておきましょう。

買い替え特約は引き渡し猶予とは別もの

家の買い替えを進める場合、「引き渡し猶予」とは別に「買い替え特約」を売買契約に盛り込むことが可能です。ただし、このふたつはまったく性質の異なる取り決めです。混同しないよう、違いをしっかり把握しておきましょう。

引き渡し猶予と買い替え特約の違い

引き渡し猶予
内容:決済後も売主がしばらく居住を続けることを認める取り決め
目的:引っ越しの時間的余裕を確保する
買い替え特約
内容:売主が一定期限までに買い替え先を確保できない場合などに、今回の売却契約を解除できる取り決め
目的:買い替え先が見つからなくても、いまの家を売却して住む場所がなくなる事態を防ぐ

買い替え特約は、買い替え先の契約が白紙になるリスクのある売主にとっての安心材料です。

一方、買主にとっては、売主の都合で売買契約が突然白紙になるリスクを背負うことになります。そのため買主に敬遠されやすく、売買契約が成立しないおそれがある点があることは考慮しておきましょう。

見逃せない引き渡し猶予のリスク

引き渡し猶予は売主が住み替えるときの強い味方ですが、気軽に利用できるものではありません。どのようなリスクがあるのかを、あらかじめ把握しておきましょう。

引き渡し猶予の期間中の破損は売主負担

猶予期間中に、売主や同居している家族によって室内に傷や損傷が生じた場合、売主が責任を負って修繕しなくてはなりません。引き渡し完了前に自然災害などで物件が倒壊・損傷した場合も、契約内容によっては売主負担となるおそれがあります。

所有権はすでに買主に移っているため、「自分の家」という感覚でいると、トラブルのもとになるため注意が必要です。引き渡し猶予期間中は、自分の家以上にていねいに扱う意識が求められます。

自分の火災保険が使えない

売主名義の火災保険は、不動産の所有権が買主に移った時点で、原則として効力を失います。買主が保険の権利を引き継ぐには、保険会社への通知に加え、承認や権利譲渡の合意などの手続きが必要です。

そのため、猶予期間中に火災や自然災害で家が損壊・滅失した場合、売主が修繕費・再建費用を負担する可能性があります。この無保険期間のリスクをカバーするには、猶予期間中の損害対応を売買契約書に明記し、買主に決済日から火災保険加入をお願いする、または自分で個人賠償責任保険に加入することが有効な対策です。

引き渡し猶予期間のリスクは、不動産会社に相談しながら、契約の段階で手を打っておくことが鉄則です。

猶予期間オーバーはペナルティがある

定めた期日までに引っ越しが完了せず、引き渡しができない場合、売主はペナルティを負うことがあります。「少し遅れても大丈夫だろう」という甘い見通しは禁物です。

ペナルティの内容は契約によって異なりますが、遅延損害金として1日あたり一定の金額を支払うケースが多いです。数千万円規模の不動産取引では、数日の遅れでも数万円単位の損害金が発生する場合があります。

引き渡し日から逆算して、余裕をもった引っ越し計画を立てることが大切です。

引き渡し猶予のメリット

引き渡し猶予を上手に活用すると、主に売り先行の買い替えにともなう費用や手間をぐっと抑えられます。では、具体的にどのような利点があるのでしょうか。

引き渡し猶予にどんなメリットがあるのか、見ていきましょう。

引っ越しを1回で済ませられる

引き渡し猶予の最大のメリットは、引っ越しを1回で完結できることです。基本的に売主は売却物件の決済日までに転居しなければならないため、新居の引き渡しがそれより後になると仮住まいが必要になります。

いまの家→(引っ越し)→仮住まい→(引っ越し)→新居

このように、2回の引っ越しが発生し、費用も手間も単純に2倍近くになります。家族世帯の引っ越し費用は、距離や時期によって異なりますが、1回あたり10万〜30万円ほどになることが多く、2回分では20万〜60万円もの出費になります。

引き渡し猶予があれば、決済後もいまの家に住み続けながら新居へ引っ越せるため、仮住まい費用や引っ越し費用を節約できるのです。

引っ越しのスケジュールが組みやすい

引き渡し猶予を利用すると、引っ越しのスケジュールに余裕が生まれます。

引き渡し猶予がなく、かつ仮住まいも挟まない場合は、決済、引き渡しが次のような流れになります。

午前
売却する物件から荷物を搬出→売却の決済・引き渡し
午後
買い替え先の購入の決済・引き渡し→新居へ荷物を搬入

これは体力的にも段取り的にも、かなりハードです。

一方、引き渡し猶予があれば、期間中に落ち着いて日程調整や荷物の梱包を進められます。「決済日までにすべて終わらせなければ」というプレッシャーから解放されるのは、大きなメリットでしょう。

引き渡し猶予のデメリット

引き渡し猶予はメリットだけではありません。後悔しないために、売主が事前に知っておくべきデメリットも知っておきましょう。

引き渡し猶予は売主にとって便利な特約である一方、買主との間でトラブルが生じるケースもあります。具体的なリスクを把握したうえで、慎重に判断することが大切です。

値引き交渉の材料にされやすい

引き渡し猶予は売主にとって有利な条件であるため、買主から値引き交渉の材料にされることがあります。費用や手間などの負担を考えると、売主が明らかに得をします。その点を理解している買主も多いため、価格交渉につながりやすいのです。

引き渡し猶予を希望する場合は、値引き交渉があることをあらかじめ想定し、売り出し価格の設定や交渉の落としどころを不動産会社と相談しておきましょう。

猶予期間中は常に気を遣う必要がある

引き渡し猶予の期間中、家の所有権はすでに買主へ移っています。それにもかかわらず、売主がまだ居住している状態のため、ちょっとした傷や汚れでも売主の責任として問われるおそれがあります。

たとえば、子どもが壁にぶつかって傷をつけた、引っ越し作業中に床を傷つけた、といったささいな損傷も負担しなければなりません。こういった、ささいな損傷にも注意する生活は、大きなストレスを感じるでしょう。

引き渡し猶予の注意点

引き渡し猶予は、利用する前に押さえておくべき注意点がいくつもあります。知っていれば防げたトラブルを防ぐために、しっかり確認しておきましょう。

固定資産税等の精算は決済日が基準になる

引き渡し猶予がある不動産売買では、固定資産税・都市計画税の日割り精算がどの日を基準にするかが論点になることがあります。基本的に固定資産税の精算は、決済日を基準とします。引き渡し猶予期間中であっても、所有権は買主に移っているためです。

ただし、実務上では引き渡し時点で行うこともあります。決済日と引き渡し日のどちらで精算するのかは、事前に確認しておくと安心です。

長期間の引き渡し猶予は認められない

引き渡し猶予の期間は、7~10日程度が現実的な上限です。それ以上の長期間になると、買主の負担が大きくなって、トラブルが発生するリスクがあります。

あまりにも引き渡し猶予の期間が長いと、金融機関に賃貸借契約ではないかと問題視されるおそれもあります。引き渡し猶予は、あくまでも引っ越しのための一時的な措置と覚えておきましょう。

引き渡し日の直前で焦らないよう、決済が決まった時点で引っ越しの準備を前倒しで進めてください。

引き渡し猶予の条件は必ず書面で残す

引き渡し猶予を利用するときは、間違っても口頭での合意だけで済ませてはいけません。

後になって「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、売買契約書または覚書などの書面に具体的な内容を明記してください。書面に残すべき主な項目は、次のとおりです。

  • 猶予期間(例:決済日から○日以内)
  • 期日を過ぎた場合のペナルティ(例:遅延損害金、1日あたり○円)
  • 猶予期間中の光熱費・管理費などの負担者
  • 猶予期間終了後の鍵の引き渡し方法

不動産会社だけに任せず、状況に応じて売主・買主の双方が内容を確認することが、後々のトラブルを防ぐうえで欠かせません。

買い替え先が白紙になるリスクも想定する

引き渡し猶予の期間中に、買い替え先の契約が、突然白紙になるリスクもゼロではありません。たとえば、次のようなケースが考えられます。

  • 大規模災害による買い替え先物件の損壊・契約解除
  • 買い替え先の売主都合による一方的な契約解除

こうした事態が発生すると、いまの家がすでに売却済みの場合は新居を失うという、もっとも避けたい状況に陥りかねません。

万が一に備えるために、次の2点は事前に確認・検討しておくことをおすすめします。

  • 買い替え先の契約内容に解除条件や補償規定を入れられるか
  • 緊急時に備えて仮住まい(実家・賃貸など)の候補はあるか

引き渡し猶予を安心して活用するために、最悪のシナリオへの備えが欠かせません。

信頼できる不動産会社をパートナーにする

引き渡し猶予を付けた物件をトラブルなく売却するには、信頼できる不動産会社をパートナーにすることが大切です。

買主にとって引き渡し猶予は歓迎できない条件のため、値引き交渉の材料にされます。このとき、売主のことを考え、値引き幅を最小限に抑えられるような不動産会社を見つけましょう。

一括査定サイトの「リビンマッチ」は売却する物件の情報を入力すると、対応できる不動産会社を紹介します。後は不動産会社を選んで査定を受け、希望する売却の条件などを相談しましょう。

引き渡し猶予に関するよくある質問

引き渡し猶予はどのようなケースで利用するの?
住み替え時に利用します。売却から新居への引っ越しの間に、仮住まい期間が必要です。仮住まいは、賃貸物件に引っ越すケースが多いですが、当然敷金や礼金などの費用がかかります。引き渡し猶予とは、この仮住まい期間を避けるためのものです。
売主にはどんなリスクがあるの?
買主に敬遠される、引き渡しまでの管理責任がある、値引き交渉されやすいなどのリスクがあります。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部アイコン リビンマッチ編集部

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